概要今回の記事は、軽貨物運送ドライバーの売上や経費等、「会計」事情に関する発信でございます。本記事は以下の記事の続編となっております。まだ以下の記事をお読みでない方は、前回の記事をお読み頂いてから、本記事をお読み頂くことを推奨させて頂きます。【軽貨物】軽貨物ドライバーの月間に掛かる経費を徹底公開!(前編)それでは、本記事を綴って参りますので、お楽しみ下さいませ。各経費詳細⑤:任意保険全ての車両に対して必須で掛けられる自賠責保険とは別に、自動車に掛ける保険(任意保険や損害保険と呼称されます。)の費用です。概ね軽貨物運送ドライバーに必須の以下の保険内容にて、任意保険を掛けております。対人賠償責任保険:無制限対物賠償責任保険:無制限人身傷害保険:3,000万円確定申告する際、勘定科目は「保険料(車両費でも可)」で経費処理されるのがいいかと存じます。任意保険は年間◯円という形で一括請求になりますが、基本月毎の分割払いにも対応しております。分割で経費処理をしても問題ございませんが、年度を跨いで処理する場合はやや面倒なため、一括の金額で経費処理することを推奨します。任意保険代は主に以下で大きく変動します。ちなみに、月額12,000円〜15,000円あたりに収まる個人事業主ドライバーがほとんどです。等級事故歴・任意保険利用歴1. 等級等級とは、保険料の割増引率を定めるための区分のことです。自動車任意保険は、基本的には事故や保険の利用歴が無く、保険を掛けている年数が長くなればなるほど保険料が下がります。つまり、優良な運転手であればあるほど保険料が下がる仕組みがあるのですが、そのランク付けだと認識頂きたく存じます。ちなみに、初めて任意保険を掛ける場合は6等級からスタートとなり、月額13,000円程度となります。最大の割引を受けられる20等級だと、月額保険料は6等級の半額以下になります。2. 事故歴・任意保険利用歴上記で説明差し上げました「等級」以外にも、「事故有係数」という事故のリスクを数値化したもので保険の割増率が決まったり、任意保険の利用歴でも保険料が変化します。保険者AとBが同じ6等級スタートだとしても、過去に事故歴がある場合は「事故有係数」という保険料を割増するものを掛けられ、事故歴のある者の方が保険料が高くなる仕組みになっております。一方で、事故の内容によっては以下のようなケースもあり、一概に事故を起こしてしまったからといって保険料や等級に影響があるとは限りません。保険金額は上がるが等級は下がらない事故保険会社が事故としては捉えない事故(保険料が上がらない事故)保険と等級の仕組みに関しましては、以下の記事がわかりやすいため、気になる方はご確認を頂けますと幸いでございます。知っておきたい!自動車保険の「等級」について各経費詳細⑥:貨物保険(運送賠償責任保険)基本的に、運送事業者は大切な荷物に対し何かしらの不慮の損害が起こった際に弁償・補填をするために保険を掛けますが、その保険を「運送業者貨物賠償責任保険(通称:貨物保険)」と呼称します。貨物保険は個人事業主の軽貨物運送ドライバーは加入必須というわけではないです。しかし、加入していないと配送の請負が難しいという傾向が昨今強くはなってきているため、月額の費用として記載をさせて頂きます。確定申告する際、貨物保険の勘定科目は「保険料(車両費でも可」で経費処理されるのがいいかと存じます。自動車任意保険と同様で分割で経費処理をしても問題ございませんが、年度を跨いで処理する場合はやや面倒なため、一括の金額で経費処理することを推奨します。貨物保険は基本的には、以下で保険料金が変動します。ちなみに、月々2,000円〜5,000円に収まる個人事業主ドライバーがほとんどのようです。どういう約款(保険を適用させるために加入するオプションのようなもの)を設けるか事故をした際の賠償金額(300万円〜500万円が主流)をいくらに設定するか(貨物保険を適用させる車両台数によっても変動しますが、個人事業主の方は基本1人工として考慮しますので、詳細は省きます。)大手配送企業の元で宅配などの案件を請け負われる方は、賠償金額は300万円程度でいいかと存じます。年間5万円程度、つまり月々5,000円程度の保険料を支払うイメージになります。なお、貨物保険は請負元が加入し、かつその請負元の保険を適用させるという場合には個人事業主が加盟する必要はなく、恩恵をそのまま受けることができます。もしこれから軽貨物ドライバーになられる場合は、所属予定の配送企業に貨物保険に入る必要性などを質問するようにして下さい。(ちなみに、軽貨物マッチングアプリのPickGoは、貨物保険はPickGo側で加盟しているためドライバーは加入が不要だそうです。)各経費詳細⑦:国民健康保険個人事業主は会社勤めの方のように社会保険を利用することができないため、国が提供している国民健康保険に加盟する必要がありますね。当然、健康保険料は社会保険のように雇用主と折半するわけではなく、主個人事業主として毎月負担しなければならない費用となります。国民健康保険は経費として申請することができません。但し、確定申告時の所得や納める税金額から控除する制度があり、納めるべき税金を減らすことができます。ちなみに、国民健康保険料は以下で決定されます。個人事業主の「事業所得(売上から経費を引いた手取りの報酬額)」お住まい年齢一番影響を与えるのは個人事業主の事業所得額です。例えば、東京住まいの30代の方で年間売上が600万円・年間経費が100万円の場合、事業所得が500万円になりますので、国民健康保険料は月額3万円前後になります。個人事業主の国民健康保険料を下げる方法はできるだけ事業所得を下げるという方法しか無いため、「できるだけ領収証を切るようにしましょう...」というアドバイスしかできません。但し、とあるフリーランス向けの組合があり、本組合の制度を利用すれば国民健康保険料を下げることができます。各経費詳細⑧:ロイヤリティあなたが配送案件をどこかの配送企業から請け負う際、「配送案件を紹介した」という名目の仲介手数料を取ることが、運送業界の文化となっております。上記の案件仲介手数料のようなものは「ロイヤリティ」と呼称されており、本来の請負金額のうちから一定率をさっ引いた上で、個人事業主ドライバーに報酬が入金されます。この「ロイヤリティ」は、毎月あなたが得られる本来の売上(報酬)からさっ引かれるものなので、経費処理はできません。ロイヤリティを引かれた後の報酬を売上と定義した方が、圧倒的に会計的な処理が楽です。ロイヤリティの利率は、概ね10%程度が通例となっております。ロイヤリティの背景や業界水準の詳細説明は省きますが、簡単に話すとそもそも「下請法」というのがございます。一定金額以上に資本金が大きい会社が業務を再委託(別の会社から配送の案件を貰い、その案件を別の会社に融通すること)する際に、請け負った側が買い叩かれることを防ぐために、ロイヤリティの利率を高くしすぎてはいけないと法律で決まっているのです。例えば、本事例に取り上げているドライバーの例だと、ロイヤリティ抜きの月間売上が44万円です。そのため、請負元に支払うロイヤリティ金額は44万円×10%は、44,000円となります。上記で説明した通り、業務委託料から天引きされることがほとんどなので、個人事業主が銀行振込するといったことはございません。これから軽貨物運送ドライバーになる予定の方は、ロイヤリティは非常に注意して確認するべき契約項目の一つです。少しでもロイヤリティに関して不安がある方は、以下の記事を確認することをお勧めいたします。さいごに今回の記事はいかがでしたか?本記事をお読みになって、軽貨物運送ドライバーにかかる経費を認識し、売上の向上や無駄な経費のカットに繋がったというお声を聞けることを楽しみにしております。本記事が配送ドライバーの皆様にとってのお楽しみとなり、お役に立たてたのであれば幸いでございます。皆様と一緒に軽貨物運送業界を盛り上げて、ドライバーに就業される方の幸福度を上げていきたく存じますので、応援を何卒宜しくお願い申し上げます。今回は以上となります。閲覧頂きありがとうございました。(PR)配達員向けコミュニティアプリ「ドラトーク」ドラトークとは、全国の軽貨物配送に従事するドライバーが、匿名かつ無料で利用できるSNSサービスです。アプリ内では、配送先の建物・納品情報や、全国のトイレ・駐禁スポット、配送アドバイスなどがリアルタイムに共有されています。軽貨物ドライバーのためのSNS「ドラトーク」の無料ダウンロードはこちらから↓ドラトーク公式サイトこの記事で解決できなかった疑問はドラトークで解決しよう画像のように、ドラトーク内のタイムラインに質問を投稿すると、経験豊富なドライバーがいつでも親切にアドバイスしてくれます。軽貨物運送ドライバーの売上や経費等で質問がある方はぜひドラトークを活用してみてください。また、質問を投稿する際は最初に目的を書くことをお勧めします。「〇〇について教えて欲しいです」「〇〇を買おうか悩んでいます」など、質問内容が明確だと多くのユーザーからの反応が期待できます。