目次概要今回の記事は、軽貨物運送ドライバーの売上や経費等、「会計」事情に関する発信でございます。軽貨物配送ドライバーに従事されることを検討されている皆様は、開業時に掛かる費用って、いくらくらい掛かるのだろう...そもそも開業時に何にお金を掛けなければいけないのだろう...といったことを不安に思われてませんか?私も軽貨物配送ドライバーになりたての頃、調べてもなかなかにはっきりとした数字を割り出せず、苦労をしておりました。そんな皆様のために、軽貨物運送事業を開業する際に掛かる費用を、ドライバーの一例を紹介しながら本記事で徹底的に解説します。また、本記事では実際に経費であげる際に使用する勘定科目なども紹介して参りますので、そのまま確定申告を行う際に転用頂けます。(※勘定科目:経費や売上を記録する際に使用する分類項目のこと)軽貨物運送を始められる予定の方、軽貨物運送駆け出しの方に有益なコンテンツとなっておりますので、最後までお読み頂けますと幸いでございます。軽貨物運送事業の開業に掛かる費用それでは、早速結論を申し上げていきましょう。今回の開業は、以下のドライバーを想定しております。運転免許証取得済み車両は請負元からのレンタルではなく、ご自身で購入 or リース購入車両は、走行距離10万km越えの低グレードな中古車東京都品川区住まい軽貨物運送事業を開業する際に掛かる費用は、最低でも50万円程度は必要となります。以下の表は実際に就業を頂いている軽貨物運送ドライバーの月間費用の内訳ですが、合計金額は636,500円となりました。項目名勘定科目費用備考車両車両運搬具¥275,000今回の事例だと20〜35万円前後が相場駐車場地代家賃¥140,000敷金・礼金、2ヶ月分駐車料込み事務用品・その他備品等消耗品費¥20,000梱包資材、文房具、台車、その他グッズなど任意保険保険料¥150,000最低等級かつ年額での費用貨物保険保険料¥50,000最低賠償かつ年額での費用黒ナンバー取得費用支払手数料¥1,500軽貨物運送事業用ナンバープレートの取得費それでは、以下の見出しにて各項目を解説して参ります。各経費詳細①:車両配送に利用する軽バンの費用ですね。上表の事例では、ご自身で購入された事例となっておりますので、勘定科目は「車両運搬具」となっております。今回のケースは、「20万円〜35万円程度の走行距離10万kmを超えの中古車の購入」となっております。ちなみにキーレスやパワーウインドウといった性能がついた中古車だと50万円くらいかかり、新車だと100〜150万円程度は掛かります。しかし、そもそも個人事業主ドライバーが扱う軽バンは以下の場合を選択できることが多く、以下どちらを選ぶのかで大きく費用が分かれます。(中古車か新車を)ご自身で購入するのか(請負元配送企業から)レンタル・リースをするのか1.(中古車か新車を)ご自身で購入するのかトータルのコストを抑えるためなら、車両は購入すべきです。中古車か新車を購入することに関しては、購入者様本人の希望や状況に合せられるのが良いかと存じますが、費用的観点から私としては中古車を推奨いたします。「中古車か新車のどちらが良いのか?」という判断につきましては、以下の記事で詳細をご確認頂けますと幸いです。2.(請負元配送企業から)レンタル・リースをするのかレンタル・リースをする場合、案件を請け負っている請負元の配送会社が決めた条件によって、あなたが利用する車両の費用が決定されます。概ね月額30,000円〜40,000円程度が主流ですが、契約内容や条件の確認(メンテナンスはレンタルしたドライバーが支払うなど)を怠ると思いも寄らない出費が掛かることになります。車両を借りる際に注意すべきことに関しては、また別記事にて説明させて頂きます。確定申告時に経費にあげる際の車両の勘定科目の設定に関しても、同様に以下のケースで異なります。(中古車か新車を)ご自身で購入するのか(請負元配送企業から)レンタル・リースをするのか車両は「資産」と捉えられ、かつ耐用年数や購入金額によって車両の経費処理方法が大きく変わるため、かなり複雑です。取り急ぎ、以下で説明している勘定科目の設定方法だけでも覚えておくと良いでしょう。加えて、「車両は30万円未満で購入した場合は、特例で一括でその年度内に費用として計上できる」ということも覚えておくと良いでしょう。(本ケースだと車両費275,000円のため、経費として何も考えずに購入金額をそのまま計上できるということです。)1. 購入した場合→購入したのが新車か中古車かで処理方法や金額が変わりますが、勘定科目は「車両運搬具」で処理をして頂ければ問題ございません。2. レンタルやリースした場合→車両の所有者が軽貨物運送ドライバー本人でない場合は、勘定科目は「リース料」で処理して頂ければ問題ございません。車両の経費計上の処理はかなり煩雑なため、注意して下さい。「自分自身で挑戦してやる!」という軽貨物運送ドライバーの方は、以下の記事がわかりやすいため、一度参考にしてみて下さい。【個人事業主の経費】車の経費計上方法や節税効果を紹介!各経費詳細②:駐車場あなたが配送車両を駐車するをする際に利用する、月極駐車場の費用ですね。確定申告する際、「地代家賃」という勘定科目で処理されるのがいいかと存じます。尚、「タイムズ」などの時間貸しの駐車場や時間制限駐車区間(通称:白枠)で駐車した際の費用は、「旅費交通費」という勘定科目で処理することができます。上の表の事例の駐車場費用は、流石は東京都品川区ですね...月極駐車場代が月35,000円は高額です。尚、駐車場の費用は基本的に以下で費用が決まります。車両サイズ(全長・全幅・全高)立地(首都圏、しかも主要な駅付近であればあるほど高額)首都圏は基本的に駐車場費用が高いですが、ハイルーフ(高さが2m以下の駐車場だと駐車できない)車両である軽バンを駐車する費用は、通常相場よりも高くなりやすいです。初期費用の計算方法に関しては、以下の計算式になります。月極駐車場を借りる初月の費用=初月と翌月の駐車場月額費用 + 敷金 +礼金ざっくりですが、月極駐車場を借りる際は月々の駐車場費用の3~4ヶ月分掛かると思っておいて下さい。もし敷金、礼金がない物件を借りることができたなら、そのまま費用が安くなります。各経費詳細③:事務用品・その他備品等あなたが配送をする際に利用する梱包資材、文房具、台車、その他グッズなどの費用ですね。上の表の事例の方だと、以下のようなものを購入し、20,000円程度を使っていましたね。日用品(マスク、筆記用具、ファブリーズなどの消臭剤、アルコール消毒用ウェットティッシュ)梱包資材(梱包用セロテープ、荷物が濡れるのを防ぐためのポリ袋)台車車載ホルダー(スマートフォンを設置する台)車両内で携帯を充電するためのシガーソケットやケーブルなど経費処理をする際、勘定科目は「消耗品費」で処理されるのがいいかと存じます。ちなみに、運送業に従事する事業者ならば神器と言っても過言ではない「台車」も、消耗品費で勘定科目を処理して下さい。購入金額が1台あたり10万円を超えるようなアルティメットな台車がもしあるならば、消耗品ではなく資産に近くなりますので「備品費」という減価償却を前提とする勘定科目で処理をします。しかし、軽貨物運送事業で使う台車は1万円程度で資産と捉えられにくいですし、資産という勘定科目での処理はぶっちゃけ面倒なので、消耗品費で処理しちゃいましょう。たまに「台車の勘定科目は車両運搬具なんやで!知っとこや!!」と後輩ドライバーに自信満々に仰ってる方がいらっしゃいますが、ごっつい恥をかくことになるのでやめましょうね。コラム:開業時に購入必須な消耗品・備品上記の見出しで一応購入物の事例を紹介しましたが、「結局何を買ったらいいんだ...」と判断がつかないでしょう。そのため、事務用品や文房具ではなく、私的に購入しておくべき備品をリストアップしてみました。台車車載ホルダーシガーソケットUSBと充電ケーブル大きいサイズのポリ袋ドライブレコーダー1.台車台車は絶対に必要です。軽貨物運送ドライバーなのに、台車が無い方は仕事にならないと思って頂いて結構です。2.車載ホルダー車載ホルダーとは、車に取り付けるスマートフォンを置く台のようなものです。車載ホルダーにスマートフォンを設置し、Googleマップを開くことで、即席のカーナビができます。正直地図と車載ホルダーのどちらを推薦する迷いました。ただ、バチバチに宅配で稼ぎたい方以外だと、地図よりもスマートフォンのマップ機能の方が融通が効き、しかも地図でなくても効果が十分なため、車載ホルダーをリストアップしました。(あと、ゼンリンの地図などは結構高く、購入すると2万円くらいします...)上記で説明した通り、車載ホルダーを用いれば足跡のカーナビができるので、カーナビの購入を検討されている場合、私的には不要と主張させて頂きます。車載ホルダーにスマートフォンを取り付ければ解決し、費用的にも相当に安くなり、さらに音声入力ができる・入力履歴が残る点など入力の手間も圧倒的にスマートフォンの方が少ないからです。ちなみに、カーナビの購入・取り付け費用は最低でも2万円は掛かります。3.シガーソケットUSBと充電ケーブルスマートフォンの充電が切れると状況的に結構詰むことってありませんか?そんな時に役に立つのが、シガーソケットUSBと充電ケーブルです。シガーソケットにシガーソケットUSBと充電ケーブルを挿しておけば、軽バンの中でスマートフォンなどの端末の充電をすることができます。とりあえず、シガーソケットUSBに接続した充電ケーブルは、スマートフォンに繋ぎっぱなしにしておきましょう。現代において致命傷となる「充電切れ」を防いでくれます。繋いでおくだけで、あなたは救われるでしょう。4.大きいサイズのポリ袋荷物が濡れないように覆い被せるためのポリ袋です。通常の家庭用のものではなく、業務用で利用されるサイズを購入されるのをお勧めいたします。雨の日に梱包されている段ボールが濡れてしまって、それに対してクレームが来ること防いでくれる有能なツールです。5.ドライブレコーダー本事例に関しては、ドライブレコーダーは入っておりません。しかし、ドライブレコーダーは今から軽貨物を始められる方は、取り付けた方が良いでしょう。煽り運転が増加しているのもありますが、運転に不安がある人ほど取り付けるべきです。事故した時に証拠を提出できるかどうかであなたの立場が大きく変わりますので、今から始められる方は是非取り付けましょう。なお、ドライブレコーダーの取り付けに関しては、前後つけるかどうかなどで費用が変わります。さいごに今回の記事はいかがでしたか?次回は、「【軽貨物】開業時に掛かる費用を徹底解説!確定申告でもそのまま利用可能(後編)」を記載して参りますので、楽しみにお待ちを頂けますと幸いでございます。本記事が配送ドライバーの皆様にとってのお楽しみとなり、お役に立たてたのであれば幸いでございます。皆様と一緒に軽貨物運送業界を盛り上げて、ドライバーに就業される方の幸福度を上げていきたく存じますので、応援を何卒宜しくお願い申し上げます。今回は以上となります。閲覧頂きありがとうございました。この記事の続編>>【軽貨物】開業時に掛かる費用を徹底解説!確定申告でもそのまま利用可能(後編)(PR)配達員向けコミュニティアプリ「ドラトーク」ドラトークとは、全国の軽貨物配送に従事するドライバーが、匿名かつ無料で利用できるSNSサービスです。アプリ内では、配送先の建物・納品情報や、全国のトイレ・駐禁スポット、配送アドバイスなどがリアルタイムに共有されています。軽貨物ドライバーのためのSNS「ドラトーク」の無料ダウンロードはこちらから↓ドラトーク公式サイトこの記事で解決できなかった疑問はドラトークで解決しよう画像のように、ドラトーク内のタイムラインに質問を投稿すると、経験豊富なドライバーがいつでも親切にアドバイスしてくれます。軽貨物ドライバーの開業時に掛かる費用等で質問がある方はぜひドラトークを活用してみてください。また、質問を投稿する際は最初に目的を書くことをお勧めします。「〇〇について教えて欲しいです」「〇〇を買おうか悩んでいます」など、質問内容が明確だと多くのユーザーからの反応が期待できます。