概要今回の記事は、軽貨物運送事業で関わりがある「保険」についての発信でございます。前回の記事の続編となっておりますので、まだ前回の記事をお読みでない方は、以下の前編をお読み頂いた方が理解がより深まるかと存じます。【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_任意保険(基本知識編)本記事を読めば、もうあなたは一切の疑問無く、すぐに保険会社に手続きを取り保険に加入できるようになっているはずです。特に、今ちょうど軽貨物運送ドライバーになられる予定の方や、軽貨物の保険関連の情報収集をされている方には有益なコンテンツとなっておりますので、最後までお読み頂けますと幸いでございます。軽貨物運送用の任意保険の金額軽貨物運送事業用の任意保険の金額は、一般用の任意保険と比較しても高額になりがちです。初めて軽貨物運送事業用の任意保険を利用される方は、月額13,000円〜20,000円程度の保険料が掛かります。保険料が高額になる背景は、以下があげられます。事業用である以上走行距離が伸び、事故のリスクが高いこと既に加入されている一般の任意保険の「等級」を引継げないこと年齢による特約や割引がないことちなみに、上記で「等級」という言葉が出ましたが、「等級」は任意保険の費用を決める重要な要素であるため、解説いたします。等級とは、保険料の割増引率を定めるための区分のことで、1~20等級まで区分されております。「等級」は明確に何を基準に区分が決定されるのかと申し上げますと、「事故歴」・「任意保険利用歴」で決定されます。任意保険は、基本的には事故や保険の利用歴が無く、保険を掛けている年数が長くなればなるほど保険料が下がります。つまり、優良な運転手であればあるほど保険料が下がる仕組みがあるのですが、そのランク付けだと認識頂きたく存じます。ちなみに、初回の保険加入時は6等級の区分から始まり、最大20等級まで上昇します。等級は高ければ高いほど保険料が下がりますが、最大の割引を受けられる20等級だと、保険料は加入時の区分である6等級の半額以下になります。一方で、等級は「事故歴」・「任意保険利用歴」で決まっても、保険料は等級に応じて決定されるわけではございません。同じ等級の保険者がいたとしても、事故の内容や任意保険の利用歴の有無で保険料が異なることがあるのです。AさんとBさんが同じ6等級の区分だとしても、過去にAさんに事故歴がある場合は「事故有係数」という保険料を割増するものを掛けられ、事故歴のある者の方が保険料が高くなる仕組みになっております。また、事故の内容によっては以下のようなケースもあり、一概に事故を起こしてしまったからといって保険料や等級に影響があるとは限りません。保険金額は上がるが等級は下がらない事故保険会社が事故としては捉えない事故(保険料が上がらない事故)最後に、余談になりますが、保険利用をできるだけ控えたい方は「免責」金額を設定することを推奨いたします。「免責」とは、「損害補填額が◯万円以下ならば自腹で払う」という意味あいです。等級への影響を減らせ、気持ち程度ですが保険料も下がるため、事故率が極端に低い方や懐に余裕がある方は検討を頂いてもいいかと存じます。任意保険の契約方法任意保険に実際に契約する際に、「ノンフリート契約」・「フリート契約」といった契約方法に分かれています。本見出しでは、「ノンフリート契約」・「フリート契約」について解説していきます。大前提として、個人事業主の軽貨物運送ドライバーのほとんどが「ノンフリート契約」に該当します。軽貨物運送事業用の車両の保有数が1台の個人事業主ドライバーが大多数を占めるためです。上記の背景から、特に負担する保険の費用に差が出るわけではないので、「契約方法」に興味がない方は読み飛ばして頂いても構いません。それでは、説明に入らせて頂きます。そもそも事業用の任意保険は、保有する車両台数に応じて契約内容を選択でき、車両台数に応じて保険料の割引などの恩恵を享受することができます。9台以下の車両数を所有する法人や事業主は「ノンフリート契約」、10台以上の車両数を保有する法人や事業主は「フリート契約」を締結することになります。尚、「ミニフリート契約」は後述しますが、あくまでもノンフリート契約の一種だと認識頂ければと存じます。保険契約保有車両数契約の主体特徴ノンフリート1〜2車両単位通常の任意保険と同様の仕組みである。等級と事故係数によって保険料が決定される。フリート10〜法人単位法人単位で保険契約が統一される。契約手続きが効率化され、保険料の割引率が最も高い。ミニフリート※ノンフリートの一種3〜9車両単位全社有車の保険開始日を同一に統一する必要がある。車両台数に応じて保険料が割引される前者の「ノンフリート契約」とは、一般用の任意保険を契約することと何ら違いはございません。車両単位で任意保険を契約するというのは、事業用車両をもう1台購入した場合はまた同様に任意保険の手続きを行い、保険を契約することになります。とどのつまりは、シンプルに任意保険を契約する認識で問題ございません、ご安心下さい。前回の記事で説明させて頂きました通り、事故件数と適用される事故有係数や等級によって保険の割引率が決定されます。一方で、後者の「フリート契約」とは、保有する車両数が10台以上あり、自動車保険に加入する場合に自動的に適用される契約です。自動的に1台ごとではなく、法人(契約者)単位で一括りにして契約することになります。そのため、フリート契約は1契約で処理が済み、車両単位での保険加入の手続きが不要です。フリート契約は事務処理の効率化や保険料割引の利点が大きいため、10車両以上所有する法人はフリート契約で契約した方が良いでしょう。フリート契約は追加で車両を所有したとしても都度の契約が不要になり、月に一回保険会社へ増減車の報告を行えばいいため、契約や事務作業が効率化されます。また、何よりもフリート契約やミニフリート契約よりも保険料の割引が大きいです。但し、フリート契約は事故内容や頻度で保険料が決定するわけではなく、法人が支払った保険金総額により保険料が決定されます。そのため事故の内容によっては、かえってノンフリート契約よりも保険料が割高になってしまうことがあります。最後に、「ミニフリート契約」について説明します。「ミニフリート契約」は、ノンフリート契約の一種で、以下の条件を満たしていれば加入することができます。契約者の配偶者、契約者またはその配偶者の同居の親族であるなど3台以上〜9台以下の事業用車両を保有している全ての車両の任意保険利用開始日を同一に統一するミニフリート契約の利点は、以下になります。保険料に対する割引を受けられる自動車保険満期日などの把握が容易になり、事務処理が楽になる保有車両数が10台以上になると自動的にフリート契約へ変更されるとどのつまりは、「フリート契約ができない親族経営の法人様はミニフリート契約をした方がお得である」ということが伝われば幸いです。任意保険の加入方法本項目では、「軽貨物運送事業用の任意保険に契約する方法」について記載していきます。前回の記事でも説明を差し上げた通り、軽貨物運送事業用の任意保険を取り扱っている保険会社は7社のみです。【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_任意保険(基本知識編)軽貨物運送事業用の任意保険を取り扱っている保険会社へ申し込みをするか、郵送での申し込み以外に加入する方法は無く、インターネットなどからの申請は不可です。なお、代理店での直接の申し込みであれば最短1時間程度、郵送だと1~2週間程度掛かるため、期間を見積もって行動されることを推奨します。任意保険を申し込む際に必要な書類は、保険会社や保険申請者の状況で異なりますが、基本的には以下でございます。運転免許証車検証(車台番号・車両型式・登録番号が判別できる書類)のコピーちなみに、保険を申請してから2ヶ月後から保険料が発生いたしますので、その当日に保険料の持参などは不要です。なお、任意保険は加入時に「自動継続特約」という特約をつけることで、保険満了日になっても自動で更新されるようにすることができます。保険の更新時に検討されたい方や保険を他社に乗り換えたい方は、上記の「自動継続特約」を設けなければ、保険満期日の3~2か月前から更新や乗り換えを行うことができます。「自動継続特約」を設けない方は、満期日や更新に関する案内が満期日の大体2か月前に届くので、案内が届き次第更新の手続きまたは他社への乗り換えの検討を行うようにしましょう。コラム①:自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)「任意保険と同様に、自賠責保険に関しての詳細は無いのか?」というお声を頂いておりますが、本記事ではあくまでも任意保険だけに絞って説明をしております。以下に自賠責保険に関して記載した記事をご用意しておりますので、宜しければご確認を頂けますと幸いでございます。【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_自賠責保険コラム②:請賠保険(請負業者賠償責任保険)任意保険や自賠責保険といった自動車の損害保険とは別に、請負業者が作業・業務中に物の破損やお客様へ怪我をさせた場合に利用することができる保険がございます。その保険は「請賠保険(請負業者賠償責任保険)」と呼称されておりますが、「任意保険と同様に、請賠保険に関しての詳細は無いのか?」というお声を頂いております。上記のお声がある中で申し訳ございませんが、本記事ではあくまでも任意保険だけに絞って説明をしております。以下に請賠保険に関して記載した記事をご用意しておりますので、宜しければご確認を頂けますと幸いでございます。【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_請負業者賠償責任保険さいごに今回の記事はいかがでしたでしょうか?「【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_任意保険」という記事に私の任意保険に関する知識を全て注ぎ込んでおりますので、ドライバーの皆様に何卒ご活用を頂けますと幸いでございます。本記事が配送ドライバーの皆様にとってのお楽しみとなり、お役に立たてたのであれば幸いでございます。皆様と一緒に軽貨物運送業界を盛り上げて、ドライバーに就業される方の幸福度を上げていきたく存じますので、応援を何卒宜しくお願い申し上げます。今回は以上となります。閲覧頂きありがとうございました。(PR)配達員向けコミュニティアプリ「ドラトーク」ドラトークとは、全国の軽貨物配送に従事するドライバーが、匿名かつ無料で利用できるSNSサービスです。アプリ内では、配送先の建物・納品情報や、全国のトイレ・駐禁スポット、配送アドバイスなどがリアルタイムに共有されています。軽貨物ドライバーのためのSNS「ドラトーク」の無料ダウンロードはこちらから↓ドラトーク公式サイトこの記事で解決できなかった疑問はドラトークで解決しよう画像のように、ドラトーク内のタイムラインに質問を投稿すると、経験豊富なドライバーがいつでも親切にアドバイスしてくれます。任意保険等で質問がある方はぜひドラトークを活用してみてください。また、質問を投稿する際は最初に目的を書くことをお勧めします。「〇〇について教えて欲しいです」「〇〇を買おうか悩んでいます」など、質問内容が明確だと多くのユーザーからの反応が期待できます。