概要今回の記事は、軽貨物運送事業で関わりがある「保険」についての発信でございます。軽貨物運送ドライバーになろうと行動されている方、保険関係でつまずいておりませんか?私も軽貨物運送ドライバーなるために、保険関係が一番苦労した思い出があります。なぜ苦労したかと申し上げますと、普段車に乗ったりしないので、「そもそも保険って何?」みたいな初歩オブ初歩でつまずくんですよね。取り急ぎ、解決するために私も情報収集に努めますが、以下のような苦い経験を何度もしました。何度も保険の代理店に通い、仕組みやら詳細を伺うことでようやく理解ができたものです。疑問を解消するために調べても不明点が多く、結局不完全燃焼で終わる...所属する請負元で保険に関して聞いても、賠償責任の金額とかは教えてくれるけど、その賠償責任の説明はしてくれない...保険の代理店に行っても、営業担当者が専門用語で話してくるから結局わからない...今後、軽貨物運送ドライバーになられる方は私のような経験をして欲しくないので、本記事では「軽貨物運送ドライバーになるために必要な総体的な保険の知識」を発信していきます。この記事を読めば、もうあなたは任意保険に対して一切の疑問が無くなり、すぐに保険会社に手続きを取り保険に加入できるようになっているはずです。特に、今ちょうど軽貨物運送ドライバーになられる予定の方や、軽貨物の保険関連の情報収集をされている方には有益なコンテンツとなっておりますので、最後までお読み頂けますと幸いでございます。そもそも自動車(任意)保険とは?本項目は、完全にペーパードライバー向けですので、乗用車などで自動車(任意)保険にご自身で加入した経験がある方などは、読み飛ばして頂いても構いません。さて、「そもそも自動車(任意)保険とは?」ということですが、軽貨物運送に関係無く世間一般を含めた「自動車に関する損害保険」のお話をさせて頂きます。自動車に適用させることができる損害保険は、「強制保険」と「任意保険」の2種類あり、全体的な構造は以下のようになっております。自動車損害保険の種類対象者適用保険強制保険一般用自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)事業用自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)任意保険(自動車保険)一般用賠償責任保険傷害保険車両保険事業用賠償責任保険傷害保険車両保険前者の「強制保険」は、「自動車損害賠償責任保険(通称:自賠責保険)」という保険で、自動車を購入したり譲り受けた際に絶対に加入しなければなりません。自賠責保険は自動車事故の被害者を救済するための保険で、具体的な賠償金額は以下となっておりますが、本当に最低限の保険効果しかございません。賠償責任の範囲:被害者側かつ「人」のみ賠償金額(傷害):120万円まで賠償金額(死亡):3,000万円まで賠償金額(後遺障害):4,000万円まで例えば衝突事故を起こした場合、被害者の怪我の医療費に対しては最低金額の保険金を支払うことはできますが、ご自身の車両の修理費、ご自身の怪我の医療費、相手側の車両の修理費などに対しては一切保険金が支払われません。尚、自賠責保険は強制保険という名の通り、法律で加入の義務を定められているため、「俺は自賠責保険に加入せぇへんで!」といった選択肢は取れませんので、ご注意下さいませ。基本的には、自動車販売業者が保険加入の処理を行ってくれるので、自動車が納車されるタイミングでは保険は掛かっております。「自賠責保険の加入手続きを取らなあかん!」といった懸念や心配は、特にされなくても良いかと存じます。簡単に説明をさせて頂きましたが、上記以外の詳細に関しては以下の記事にて紹介しておりますので、ご確認頂けますと幸いでございます。【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_自賠責保険後者の「任意保険」は、「自動車保険」という保険です。「自賠責保険」という最低限の保険に対し、任意で必要だと思われる保険を選んで加入する保険が「自動車保険」です。なお、具体的に自動車保険の賠償責任の範囲は以下となっており、人やモノ全てに対する補償を全て網羅することができます。相手側への範囲:①対人賠償、②対物賠償自分側への範囲:①対人賠償(搭乗者も可)、②対物賠償、③相手側と交渉等ちなみに、「俺は別に事故しやんし、無敵やから自動車保険に加入せんとくわ!」と考えられた方、決断が早過ぎますね。まだ慌てる時間じゃない。確かに任意保険は強制加入ではございませんが、いいですか?これだけは覚えておいて下さい。「任意保険は、任意という名の強制である...」と。任意保険は、自賠責保険では果たすことができない賠償責任を果たすために存在しています。つまり、自賠責保険の賠償金額は非常に低額で、賠償責任の範囲も狭いため、保険としての効果が低いということを意味しているのです。上記に自賠責保険の具体的な保険内容を記載しましたが、そもそも保険金が全て低額すぎると思いませんか?「自転車」の加害事故ですら損害賠償金額の最高額が1億円ですが、乗り物としての危険度も事故発生率も数倍跳ね上がる「自動車」だと言うまでも無いでしょう。ちなみに、ご存知の通り損害賠償額を払えない場合にたどる末路は、自己破産以外にございませんね。ここまでご理解を頂くために長く記載して参りましたが、「任意保険は、任意という名の強制である...」ということがあなたに伝われば幸いです。尚、任意保険に加入すると以下の証券が発行され、保険内容等を確認できます。参考までに、私が軽貨物運送ドライバーになりたての頃に加入した任意保険の証券を添付いたします。各項目や内容については以下の見出しにて触れていきますので、参考にして頂ければ幸いです。軽貨物運送事業用の任意保険と取扱会社それでは、ここからはお待ちかねの、「軽貨物運送事業者用の自動車(任意)保険」に関するお話をさせて頂きます。軽貨物運送事業で利用する車両に取り付けられているナンバープレートは「黒色」ですが、黒ナンバープレートの車両は一般的な自動車(任意)保険は適用ができません。事業用として車両のナンバープレートを変更している以上は、事業用の自動車(任意)保険に加入しなければなりません。黒ナンバー用の自動車(任意)保険を取り扱っている保険会社自体も基本的に以下7社のみとなっており、各代理店か直営店で手続きするしかないです。東京海上日動三井住友海上損保ジャパン日本興亜あいおいニッセイ楽天損害保険 共栄火災AIG損害保険「上記の中で、どの保険会社が一番保険料が低額なのか?」といった疑問があるかもしれませんが、どの保険会社を選んで頂いてもほとんど変わりはございません。ご自身の家の近くである、営業担当の人柄が良いといった理由でお選び頂くのが良いかと存じます。ちなみに、軽貨物運送ドライバーで自動車(任意)保険に加盟しない場合、あなたへの運送の発注がほぼ発生しないと予想されるため、必ず加入しましょう。事業用の保険に加入しない業者など余りにもリスク管理が危うく、社会的な信用の面から問題があると判断されます。昨今の軽貨物マッチングプラットフォームでも軽貨物運送事業用自動車(任意)保険の書類提出は必須となっており、どこか請負元に所属する場合でも必ず加入を求められるはずです。軽貨物運送用の加入すべき任意保険軽貨物運送事業用の任意保険ですが、主な保険内容の種類は以下です。以下添付の画像の内、特に優先順位の高い保険(黒太文字と赤文字)について説明していきます。任意保険の種類詳細賠償責任保険対人賠償保険対物賠償保険傷害保険人身傷害保険搭乗者傷害保険自損事故保険無保険者傷害保険車両保険車両保険軽貨物運送事業用の任意保険において最低限加入すべき保険は、人にケガをさせた場合やモノを破損した場合に、医療費や損害を補償する保険である「賠償責任保険」です。賠償責任保険は、「対人賠償保険」と「対物賠償保険」の2種類ございますが、どちらも必ず加入すべきです。「対人賠償保険」とは事故で相手を死傷させてしまった等、被害者側かつ「人」に関わることに保険金が支払われる保険です。「対物賠償保険」とは相手の自動車や家、お店などを損傷させてしまった等、被害者側かつ「モノ」に関わることに保険金が支払われる保険です。「対人賠償保険」と「対物賠償保険」の賠償金額は、保険の加入者が設定可能ではありますが、必ず「無制限」に設定して下さい。現状、ほとんどの運送事業者が賠償金額は無制限に設定しています。また、事業用である以上はとんでもない金額の請求が来た時に対応するために、賠償金額は無制限に設定すべきです。次に、他に加入すると安心できる保険は、自動車事故によって生じた自分や同乗者のケガを補償する保険である「傷害保険」です。「傷害保険」の中でも、「人身傷害保険」と「無保険車傷害保険」は加入される方が多い印象です。「人身傷害保険」とは、自分及び同乗者の怪我を補償してくれる保険です。設定した賠償金額を上限とした上で、相手の有無や自身の過失割合に関係なく実際に被った損害額と同等の保険金を受け取ることができます。「無保険車傷害保険」とは、上記の人身傷害保険を利用できない場合などで十分な補償が得られない場合に利用する保険です。人身傷害保険が利用できない場合とは、対人賠償保険に加入していない無保険車との事故、相手側に賠償責任を果たす能力が無い場合を指します。当て逃げなど、相手が特定できない場合にも適用することができます。「傷害保険」の賠償金額も同様にご自身で設定が可能ですので、保険の代理店に相談されて決められた方がよろしいかと存じます。参考までに、弊社では人身傷害保険の賠償金額は3,000万円に設定しております。傷害保険以外の保険の加入に関しては、ご自身の状況と照らし合わせて加入を検討して下さい。本見出しはこれで最後となりますが、上に添付をした画像で説明が欠けている保険に関しては以下に記載をしておきます。「どの保険を加入するのか」を検討する際にお役立て頂ければ幸いです。「搭乗者傷害保険」とは、人身傷害保険と同様、自分及び同乗者の怪我に対し補償をする保険です。人身傷害保険は実際の損害額に合わせて受け取り可能な保険金が変動し、支払われることになりますが、搭乗者傷害保険はあらかじめ決められた一定金額が支払われる保険です。搭乗者傷害保険は、人身侵害保険と組み合わせて加入することができます。「自損事故保険」とは、わき見運転による建物との衝突事故などのドライバーの単独事故によって、自分や同乗者が死傷した場合に補償される保険です。人身傷害保険と併せて加入している場合、人身傷害保険が優先的に適用され、自損事故保険の保険金は支払われません。「車両保険」とは、自身の車両が損害を受けた場合に、修繕費用が補償される保険です。新車を購入された方は加入されることが多いです。中古車を購入された方は、保険金額は車両価格によってかなり異なり、かつ「修繕するよりも購入し直した方が良い」というケースもあるため、加入されない方がほとんどです。さいごに今回は長くなりましたので、一旦上記までで区切らせて頂きます。次回の記事では、軽貨物運送用の任意保険の金額などについてお話をさせて頂きますので、更新をお待ち頂けますと幸いです。【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_任意保険(契約・加入編)本記事が配送ドライバーの皆様にとってのお楽しみとなり、お役に立たてたのであれば幸いでございます。皆様と一緒に軽貨物運送業界を盛り上げて、ドライバーに就業される方の幸福度を上げていきたく存じますので、応援を何卒宜しくお願い申し上げます。今回は以上となります。閲覧頂きありがとうございました。この記事の続編>>【軽貨物】ドライバー必見!保険ガイド_任意保険(契約・加入編)(PR)配達員向けコミュニティアプリ「ドラトーク」ドラトークとは、全国の軽貨物配送に従事するドライバーが、匿名かつ無料で利用できるSNSサービスです。アプリ内では、配送先の建物・納品情報や、全国のトイレ・駐禁スポット、配送アドバイスなどがリアルタイムに共有されています。軽貨物ドライバーのためのSNS「ドラトーク」の無料ダウンロードはこちらから↓ドラトーク公式サイトこの記事で解決できなかった疑問はドラトークで解決しよう画像のように、ドラトーク内のタイムラインに質問を投稿すると、経験豊富なドライバーがいつでも親切にアドバイスしてくれます。任意保険等で質問がある方はぜひドラトークを活用してみてください。また、質問を投稿する際は最初に目的を書くことをお勧めします。「〇〇について教えて欲しいです」「〇〇を買おうか悩んでいます」など、質問内容が明確だと多くのユーザーからの反応が期待できます。